頚髄症と脳性麻痺の二次障害

脳性麻痺(Cerebral Palsy = CP)とは

 脳性麻痺は、感染症の胎内感染、分娩時の外傷、無(低)酸素、仮死・未熟児での出産、出生後の脳炎などによる未成熟な脳における非進行性の欠損、もしくは病変に起因し、その損傷領域 によって、主に、大脳皮質=痙直型、中脳・脳基低核=アテトーゼ型、小脳=失調型、脳の広範囲 =混合型の4つのタイプに分けられます。
四肢および体幹筋の痙直、麻痺、不随意運動、運動失調などを生じ、強度の筋緊張、身体の過敏反応等がみられ、多くの場合言語障害を伴います。その障害の程度は種々にわたり、精神遅滞、視覚、聴覚、嚥下障害等の合併、けいれん発作などが発生することもあります。

頚髄症と脳性麻痺の二次障害について

 脳性麻痺は、本来非進行性の神経系病変ですが、筋の緊張、姿勢・バランスの異常等により、 若年齢から骨格や関節の変形をきたし、加齢とともに二次障害として新らたに障害が現れます。
特に持続的な頚椎の不随意運動に伴い、頚髄あるいは頚髄神経根が圧迫され、椎間板が早期に損傷されるために後彎(後方凸)となり、それにより頚髄が萎縮(脊髄の神経細胞が損傷し、脊髄そのものが細くなり痩せる)してしまいます。
このような頚髄症においては、一度損傷を受けた脊髄は現在の医療では決して回復できないことから、予防的な手術療法も考慮し、しびれや痛みなどの身体症状が軽く、脊髄の損傷が少ないほど、手術の安全性も高く、改善の希望も持てるということを理解する必要があり、少しでも疑いがあればできるだけ早い段階での脊椎外科専門医への受診が望まれます。   

      ◆ 参考資料 ◆  
  下記資料は、元自治医科大学准教授 星地亜都司先生のご厚意により、掲載のご許可をいただきました。
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  ・ 脳性麻痺に合併する頚椎病変  PDFファイル

 

クリティカル シンキング 脊椎外科

 

   「Critical Thinking 脊椎外科」  星地亜都司 著 三輪書店  

     第4章 7. P.66~68 

   ※ 脊椎脊髄外科をより深く知るための専門医向けサブテキスト。

  ・ 頚椎症性脊髄症  PDFファイル
     マイメド-MyMed 医療電子教科書に掲載中の解説と同一の内容です。