頚髄症(頚椎症性脊髄症)の治療

○ 保存的治療

  ・ 牽引、温熱療法 牽引、電気、超音波、極超短波などで痛みを和らげる。
  ・ 運動療法 体操、筋肉トレーニング、散歩、水泳など。
  ・ 薬物療法 消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、ビタミンB12、抗不安薬など。
  ・ 神経ブロック療法 神経、または、その周辺に薬液を注射し、神経の興奮伝導を一時的に遮断して痛みを緩和する治療法。星状神経節ブロック、脊髄硬膜外ブロック、トリガーポイントブロックなど。
  ・ 外 固 定 装具(ポリネック・カラーなど)を使って頚椎に負担を掛けないようにする。

○ 手術的治療

  ・ 前方法 前方除圧固定術
    頚椎前面からの進入により、前方から圧迫している椎間板や骨棘などを取り除き、脊髄を除圧することができる。
脊柱の再建のため、切除した椎間板や椎体部分に自家腸骨、または自家腓骨を移植して、同時に固定術を行う。(特に脳性麻痺者においては、術後の頚椎の安定性を確保するため、棘突起間をワイヤーで締結するなどの後部固定〔内固定〕が併用される場合があります。)
  ・ 後方法 椎弓形成術
    罹患した椎間板や椎体には手を加えず、頚椎後方から脊柱管(脊髄の通り道)の後壁をなす椎弓の棘突起を正中で切開し、脊柱管を広げて、脊髄を後に移動させ除圧する。開いた棘突起間にはセラミックなどのスペーサーを挿入する。
  ※ 現在行われている頚椎の手術には、このほかにも様々な手技があります。前方法、後方法等の手術手技については、
 罹患部位、全身状態、医師の経験などによって、それぞれの術式が選択されます。